演奏会の裏側 ② 〜受付責任者 3〜

ここまで受付責任者の役割、把握しなくてはならない事をお伝えしました。

ここまで読んでくださった方は
「こんな大変な仕事引き受けたくない!」
「こんな重役、誰に頼めばいいの!?」
と思ったかもしれません。

ですが予想されるトラブルに備えてお客様に演奏会を楽しんで頂ければ、
終演後には「楽しかったわ」「いい演奏会だったわ」「ありがとう」という言葉を聞けるという
とても嬉しいお仕事なのんです。

では想定できるトラブルを、キーワードで見ていきましょう。

無料・チケット不要

アマチュアの演奏会など入場無料の演奏会もあります。
無料の場合、チケットや予約が不要なものが多くあります。

ここで注意しなくてはならないのは、来場されるお客様の数が予想しにくいという事です。
特にアマチュアオーケストラやアンサンブルで出演者が複数人いる場合、一人の出演者がどれくらいのお客様を呼んでいるか把握しにくく、予想以上のお客様が来場される可能性があります。

会場の席数は決まっており、座席数以上のお客様を入場させることはできません。
万が一、お客様が溢れてしまった場合、せっかくいらしたお客様にお帰りいただくことになってしまいます。

必要な対応
① 事前にしっかりと入場予定者数を把握する
  無料でも客席数以内の整理券を事前配布するなど、客席数を超えたお客様が来場さ
  れたいようにします。
② モニターなどでの鑑賞について検討しておく
  万が一、客席内に入れない数のお客様がいらした場合に、モニターなどで鑑賞しても
  らうのか、お詫びをして帰っていただくのか、検討しておきましょう。

自由席

演奏会を企画する際に、主催は「自由席」か「指定席」を決めます。
自由席ですとお客様は好きな席に座れますし、席についてからも希望のお席に移動ができるなどお客様にとってのメリット、そして主催にとってはチケット管理が楽だというメリットがあります。

ですが、気をつけなくてはいけない点があります。
それは開場時です。

自由席だとお客様はいい席を取ろうと、早く来場される傾向があります。
開場前から、会場の外に列が出来ることも。
その場合の列の整理はどうするのかエントランスやロビーだけを先に開場する必要があるのか、そのような対応が可能なのかを、会場の方に確認しておきましょう。

またお客様は早く会場に入ろうと並んでいらっしゃいますので、列が崩れて入場の順番が守られないようなことが無いよう、ご案内に気をつけましょう。

電子チケット

ここ数年、電子チケットを導入している主催が増えています。
ポップスのコンサートでしたらお客様の年齢層も若く、電子チケットやそういったシステムに慣れている方も多いでしょう。

ただクラシック音楽の演奏会の場合、まだまだ割合は少ないので戸惑うお客様も少なくありません。
① 電子チケットの購入サイトにログインできず、チケットが表示できない
② スマートフォンの操作が難しくチケットが購入できない

大きくはこの2つでしょう。
紙のチケットを選択できない場合は、そもそもチケットを購入できずに、直接会場にいらっしゃる場合もあるでしょう。
せっかく足を運んでくださったお客様です。手書きのチケットか、何かメモでも構いません。受付で現金を受け取り、お席を販売できように準備しておくのが良いでしょう。

もちろん演奏会の内容・会場によって、さまざまなお客様、さまざま問題があるでしょう。
ですが、お客様をお迎えすることはとても大きな喜びです。

演奏会を企画することはとても大変です。
公演の全貌を把握している主催者が受付を担当できるとは限りません。
お友達や先生に頼まれて、受付を担当するという人がいかに多いことか。

主催者は、できる限りの準備を整え、必要な情報を事前にわかりやすく受付担当者に伝えしましょう。

そして依頼された受付責任者は、不明な点を事前に確認し、
お客様やホールのスタッフからの問い合わせには、主催の代表として対応します。

受付はお客様を最初に迎える場所です。
いい演奏が聴けたとしても、それ以外のことで嫌な思いをさせてしまっては、
せっかくの演奏会は台無しです。

演奏会の主催者はそれを理解し、充分な準備をして演奏会当日を迎えましょう。

この記事が、少しでもそのお役に立てることを願っています。

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